講 演 要 旨

昭和24年、名古屋市中村区に生まれた私は、幼いころは金物小売業を
営む両親の下で何不自由なく暮らします。
しかし6年生の冬、父が肝硬変で亡くなってしまうと、母も無理がたたり5年後に他界。
我が家は当時まだ小学生だった弟と、高校生の私だけの二人家族になってしまいます。

 金物店を引き継いだ私は高校を休学して仕事に専念。小学校の野球部で活躍する弟も、
店の手伝いを進んでしてくれました。高校の休学の期限が切れる直前にはクラスメイトの
お祖母ちゃんが店番をかって出てくださり、私は県立中村高校を卒業しました。

 しかし、その1年後。近所に大型スーパーがオープンし、店を売却、名古屋市の郊外に転居します。
弟は県立犬山高校の野球部に入部、犬山高校から名古屋商科大学に進み、
大学ではピッチャーとして活躍、卒業と同時に中日ドラゴンズに入団します。

 私も金物店のあと、薬局の販売員、愛知県警の職員などを経て40歳からは好きな
文筆の仕事につくことができ、現在に至っています。

 これまで弟と私を支えてくれた一番のお守りは、父が亡くなる3か月前に
私に手渡してくれた1通の手紙でした。

 「弟といつまでも仲良く。人を憎まず、自分を見捨てずに生きなさい」と書かれた
その手紙を、つらいことがある度に読みました。勇気と希望を与えられました。
苦しいこともたくさんありましたが、これまでのすべての経験と出会いに感謝し
講演会では、
◇ 家族の絆の大切さ
◇ チャンスは誰にも与えられること
◇ 「夢を持つこと」が、生きる力になることなどを、
   体験に基づき、明るく楽しく講演されました。